「速度,加速度,落下運動」 例題4

2005.11.15 解説:高瀬寿乃
出題:中村陽一
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例題4

地上 90〔m〕の高さの点Oから,小球Aを初速度 40〔m/s〕で鉛直上方に投げあげ,t0 秒後に 小球Bを自由落下させる。次の問に小数点以下第2位を四捨五入して答えよ。
  1. 小球Aを投げてからAが点Oを通過するまでの時間は何秒か。
  2. 小球Aを投げてからAが地面にあたるまでの時間は何秒か。
  3. 小球Bを落としてからBが地面に当たるまでの時間は何秒か。
  4. 小球AがBを空中で追い越すためには,t0 はどんな範囲の値であれば良いか。


解答・解説

二つの小球が落下している間に受ける力は重力だけなので,どちらも重さに関係なく重力加速度 g = 9.8 〔m/s2〕の 等加速度運動を行う。

(1)の解答例

点Oを原点として鉛直上向きを正として y 軸をとると t 秒後の小球の y 座標は

 〔m〕

となる。求める時間 t1〔s〕とすると,この時 y 座標は 0〔m〕となるから

 〔m〕

これより t1 = 8.2〔s〕を得る。

(2)の解答例

求める時間 t2〔s〕とすると,この時 y 座標は -90〔m〕 となるから

 〔m〕

これを整理して

 〔m〕

これを解くと、t2 = 10.0, -1.8〔s〕 の二つの解が得られるが,t > 0 より t2 = 10〔s〕となる。

(3)の解答例

小球Bの t 秒後の y 座標は

 〔m〕

なので,求める時間 t3〔s〕とすると,この時 y 座標は -90〔m〕 となるから

 〔m〕

これより t3 = 4.3〔s〕となる。

(4)の解答例

小球Aが上空から点Oに帰ってくるまでにBを落とさなければならないので(そうでないと,最初から小球Aが先行してしまう。),t0 < t1。従ってt0 < 8.2〔s〕。
また,小球Aを投げてから地面にあたるまでの時間は t2〔s〕で,小球Aを投げてから小球Bが地面にあたるまでの 時間は t0 + t3〔s〕である。従って小球Aが小球Bを追い越すためには t2 < t0 + t3でなければならない。従って t0 > 5.7〔s〕。
以上をまとめると,5.7 < t0 < 8.2〔s〕。
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