「速度,加速度,落下運動」 例題3

2005.11.15 解説:高瀬寿乃
出題:中村陽一
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例題3

十分に高いところから小石Aを自由落下させ,2.0秒後に他の小石Bを投げおろす。次の問に答えよ。
  1. Bの初速度が v0 = 15〔m/s〕であるとき,A,Bの間隔はどのように変わってゆくか。
  2. BがAに追いつくためには,Bの初速度 v0 はいくらでなければならないか。
  3. Aに乗って見ていると仮定すると,Bの運動は初速度 v0 の大きさによってどのように変化するか。


解答・解説

落下中の小石に働く力は重力だけなので,どちらの小石も重力加速度 g = 9.8〔m/s2〕の等加速度運動を行うが,初速度が異なる。 小石Aは自由落下,すなわち初速度は0である。

(1)の解答例

小石A,Bを投げた点を原点Oとし,鉛直下向きに y 軸をとる。Bを投げてから t〔s〕後の2つの球の位置を それぞれ yAyBとすると

 〔m〕および
 〔m〕となるので

 〔m〕

従ってBを投げた時点での間隔は 19.6〔m〕で,その後,AはBから見て 4.6〔m/s〕の速さで遠ざかる。

(2)の解答例

小石Bを投げてから t〔s〕後のA,Bの速度を vAvBとすると

 〔m/s〕および
 〔m/s〕となる。

vB > vA であれば小石Bが小石Aに追いつくので

 

従って小石Bの初速度は V0 > 19.6〔m/s〕でなければならない。

(3)の解答例

Aから見たBの相対速度 vABは、

〔m/s〕となるので 

v0 > 19.6〔m/s〕ならば,Bは一定の速さ v0 -19.6〔m/s〕でAに近づき,
v0 < 19.6〔m/s〕ならば,Bは一定の速さ 19.6 - v0 〔m/s〕でAから遠ざかる。
v0 = 19.6〔m/s〕ならば,BはAから見て止まっているように見える。
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