「速度,加速度,落下運動」 例題2

2005.11.10 解説:高瀬寿乃
出題:中村陽一
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例題2

霧の高速道路を速さ 24〔m/s〕で走っていた自動車Bの運転手が,前方に低速の自動車Aを発見し,一定の加速度で減速し始めて,2.0〔s〕後に速さ 18〔m/s〕になった。 この瞬間を t = 0〔s〕とする。一方,速さ 8.0〔m/s〕で進んでいたAは t = 0〔s〕の時から一定の速度で加速し始めた。 その結果, t = 2.0〔s〕のとき,車間距離はもっとも短くなって 5.0〔m〕となったが,衝突を免れた。 A,Bの進行方向を正とする。
  1. まずBの加速度 aB を,次にAの加速度 aA を求めよ。
  2. t = 0〔s〕の瞬間の車間距離はいくらか。


解答・解説

最初はBの方が速いので車間距離はどんどん縮まってゆくが,Bが減速しAが加速するため,ある時点で速度の大小関係が逆転し,Aの方が速くなるため車間距離は広がってゆく。 従って、BとAの速度が等しくなったとき車間距離が最短となっている。

(1)の解答例

まずBの加速度を求める。 自動車Bは 2〔s〕間に 24〔m/s〕から 18〔m/s〕に減速したのだから,この間の加速度は

 〔m/s2

と求められる。車間距離が最短となった t = 2.0〔s〕のとき,それぞれの速度が等しくなるので t = 0〔s〕での BとAの初速度をそれぞれ vB0 = 18〔m/s〕,vA0 = 8.0〔m/s〕とすると,2.0〔s〕後のそれぞれの速度は

 〔m/s〕および
 〔m/s〕となり

vB = vA より aA = 2.0〔m/s2〕を得る。

(2)の解答例

t = 0〔0〕の瞬間のBの先端位置Oを原点とし,そのときのBとAとの車間距離を l〔m〕とすると, もっとも接近した t = 2.0〔s〕のときのAとBとの座標は

 〔m〕
 〔m〕

となる。このとき,AはBよりも5.0〔m〕前にいるので

 〔m〕

これより l = 15〔m〕となる。
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