「速さと速度」

2005.11.18 教育センター 平田 慈(めぐみ)
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解説ビデオ

(1)平均の速さと瞬間の速さ

移動する物体の速さが刻一刻と変化しているとき, 物体の移動した距離 を, その移動に要した時間 t で割った量を平均の速さという。

velocity に由来。単位は 〔m/s〕,〔cm/s〕,〔km/h〕など。)

は、”ヴイ バー”と読む。バーをつけることで平均値であることを表す。

ある瞬間の速さを知るには,その間の速さの変化が無視できるような非常に短い時間 Δt に 物体の移動した距離 Δ を,Δt で割って求める。 これを瞬間の速さという。

( 単位は 〔m/s〕,〔cm/s〕,〔km/h〕など。)

Δ(大文字の”デルタ”)はギリシャ文字で、これを文字の前につけることで,その文字の表す量の非常に小さい(または短い)変化量を表す。

(2)等速直線運動とそのグラフ

一直線上を一定の速さで進む運動を等速直線運動と呼ぶ。 等速直線運動をする物体の移動距離 は, 速さ v とその移動に要した時間 t との積で表される。

〔m〕

このとき,移動距離 と 移動時間 t は比例しているので,横軸に t をとり, 縦軸に をプロットすると, 直線のグラフとなる。この xt グラフの傾きが速さとなる。
等速直線運動では,横軸に移動時間 t,縦軸に速さ をとると, 速さが時間によらず一定なので水平なグラフとなる。 この vt グラフの面積 (速さ × 移動時間 t )が t 秒間に移動した距離 を表している。

(3)速度

速さ に,運動の向きをあわせたものを速度といい, で表す。矢印は,ベクトル量(大きさと方向を持つ量)であることを示している。矢印をつける代わりに太字で表すこともある。
直線運動の場合,速度の向きを正負の符号で表す。(向きが反対になれば符号が逆になる。)

(4)速度の合成

速度 に速度 の合成速度 は, を隣り合う二辺とする平行四辺形の対角線で表せる。

(5)相対速度

「相対的」とは、お互いの状況によって変わってくるというような意味である。 二つの物体間の速度(片方からもう片方を見たときの速度)もそれぞれの物体の状況に応じて変わってくるので,「相対的」であるといえる。

たとえば,速度 で動いている人Aから, 速度 で動いている物体Bを見たときの 相対速度 は, となる。

 ならAから見てBは遠ざかってゆき,
 ならAから見てBは近づいてくる。
 ならAから見てBは止まって見える。

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