「ラジアン,ステラジアン」
2004.7.14 摂南大学 工学部 電気電子工学科 井上雅彦

工学部 教育センターSEC Video Library > One-point アドバイス(物理)
解説ビデオ

円の中心から2本の直線を図のように引くと扇形ができる。扇形は円周の一部(黄色の部分)を切り取ることになるが,その部分を円弧という。 円弧の長さは扇形の中心の角度に比例する。そこで円弧の長さで角度を表すことが考えられる。
同じ角度でも円弧の長さは円の半径によって 変わってくるので,半径 r = 1 の円(単位円)の円弧の長さで角度を表すことにする。この方法を弧度法という。単位は〔rad〕(ラジアン)である。
扇形の中心角が の場合,円弧の長さは円周と一致するので,

〔m〕
となるが,単位円では r = 1 なので

即ち 360度は 2π〔rad〕となる。また,円周の長さが半径 r に比例することからわかるように円弧の長さは半径 r に比例する。 従って角度 θ〔rad〕の扇形において,
〔m〕
となる。この性質は便利で色々なところで利用される。(例えば,円運動の記述が簡単になる。ビデオ参照。)逆に
〔rad〕
がラジアンの定義で,この式から わかるようにラジアンは無次元の物理量である。

上記の弧度法を3次元に拡張したものが立体角である。 半径 r = 1 の球(単位球)表面の面積で3次元的角度を定義する。 単位は〔sr〕(ステラジアン)である。球全体での表面積は

〔m2
であるが、単位球では r = 1 なので

即ち全立体角は 4π〔sr〕となる。球の表面積が r2 に比例することからわかるように 球表面上の部分的面積 dS〔m2〕も r2 に比例する。従って立体角 Ω のメガホン形(仮称) を考えると,
〔m2
となる。この性質も色々なところで利用される。逆に
〔sr〕
がステラジアンの定義で,この式からステラジアンもまた無次元の量であることがわかる。


工学部 教育センタートップページへ戻る

摂南大学工学部 教育センター オリジナル教育ビデオライブラリ
Copyright © 2012-2024 Electrical and Electronic Engineering, Setsunan University, All rights reserved.